禁煙治療を希望される方へ
禁煙外来で処方されるお薬は禁煙によるニコチン切れのイライラを抑えるお薬です。患者さんご本人の禁煙する意思をお手伝いします。
保険適応の処方薬には内服薬とニコチンパッチ(貼り薬)があります。市販薬にはニコチンパッチ(貼り薬)とニコチンガムがあります。
市販薬は保険適応がないデメリットはありますが、代わりに手軽に始められるメリットもあります。
禁煙が難しい理由として心理的依存と身体的依存があります。禁煙補助薬は体がニコチンを求める身体的依存(ニコチン依存症)の症状を和らげるお薬です(残念ながら、これで勝手にやめれるという魔法の薬ではありません)。心理的依存とはなんとなく手が伸びてしまう状態です。
禁煙すると決めたら
まずは、禁煙開始する日を決めましょう。目安としては1か月以内(できれば、思い立ったその日)に始めましょう。
タバコによるニコチンは3日で体の中からはなくなります。これ以降はタバコによるニコチン切れのイライラはなくなりますので、安心して取り組んでください。
禁煙のデメリットとして体重増加を挙げられる方がおりますが、タバコを吸っている状態というのは呼吸障害があるのと同じなため、体にとってはやつれているのと同じ状態です。これが禁煙することで本来の健康な状態になるため、体重は増えます。また、なんとなくお菓子に手が伸びてしまう方もおられます。スルメや昆布などのカロリーの低いもので口さみしさを紛らわすと体重増加を避けられます。
禁煙成功の秘訣として周囲の方に禁煙をしたことを宣言するのをお勧めします。宣言すると周囲の応援も取り付けやすくなります。また、禁煙仲間を作りましょう。同じ目標に取り組む仲間が近くにいると励みになります。
もし、禁煙に失敗しても・・・
禁煙は何度チャレンジしても構いません。あきらめずに何度も挑戦しましょう。
保険診療での禁煙治療は基本的に合計5回となります。
初診日、2週間後、4週間後、8週間後、12週間後
保険診療で処方されるお薬
ニコチネルTTS(貼り薬)、チャンピックス(内服薬)の2種類です。
主な副作用としてニコチネルTTSでは皮膚炎、チャンピックスでは眠気があります。チャンピックスを内服される方は車の運転はしないようにお願いします。
薬局で買えるお薬(保険適応外)
ニコチンパッチの標準的使用法
シガノンCQ1を6週間⇒シガノンCQ2を2週間
ニコチネルパッチ20を6週間⇒ニコチネルパッチ10を2週間
ニコレットパッチ1を6週間⇒ニコレットパッチ2を2週間(⇒ニコレットパッチ3を2週間)
喫煙本数が1日20~30本の方は高容量のものからをお勧めします。20本以下の方なら低用量のものから始めても、ニコチン欠乏症状を感じにくいでしょう。
ニコチンガムの標準的使用方法
貼り薬でしたら最小量の製剤、ニコチンガムでしたら1日3個以下でやめたほうが、ニコチン欠乏の症状を感じにくいです。ただし、どちらの製剤でも「禁煙ができそうだな」と思ったら、途中でやめても構いません。
貼り薬で皮膚があれるようでしたら、中止してください。
吐き気が出てくる場合には中止して、医師又は薬剤師に相談してください。(ニコチンの量が多い可能性があります)